| 第18話 トーナメント観戦 |
先日、Caltex Singapore Masters の観戦に行った。実はトーナメント観戦は今回が初めて。今回の会場となったLaguna のMasters Courseは何度かプレーしたことがあり、また Laguna はいつも練習で通っているところなので身近に感じたこともあり、ふと友人と行こう!という話になって最終日を観戦することにした。
実はハイキング気分でちょっと見に行こう!という程度の話だったのだが、いざ見に行くともう釘付け状態。感動の連続。興奮の連続。本当に楽しいの一言に尽きた。
到着したらちょうど今回のスター、Nick Faldo の組のティーオフであった。他の2人はSwedenからRichard
Johnson、SpainからCalros Rodiles。まずはこの2人がティーグランドに到着、その後Nick
Faldoが現れると、観衆からワーッと拍手。風格が違うなあと思った。そしてこの風格を象徴するかのように、
Nickの方からこの2人に握手を求める形で挨拶が交わされた。スタートのアナウンス、ティーオフの前にそれぞれのプロの紹介があっていざスタート。
まず、びっくりしたのはこの3人のティーショットの軽さ、コンパクトさ、滑らかさ、きれいな円運動、飛距離。3人とも体格は違うのにみんな大体同じ所にドライバーショットを持っていく。爽快なティーショットであった。こんなに力の入っていない軽いスイングなのに何故こんなに飛ぶんだろう…そんな印象であった。無駄のないスイングであった。このRichardは前日にホールインワンを出していることもあり、面白そうな組だったのでこの組について回ることにした。
今回プロのトーナメントを通してとても印象的だったことは、アマチュアゴルファーでもそれぞれいろいろな個性があるように、プロゴルファーも本当にいろいろな個性があるということ。体格も性格も違えばグリップもショットもパットもみんな違う。ソフトなゴルフをする人もいれば、豪快なゴルフをする人もいる。ゴルフウエアもおしゃれに着こなしている人もいれば、よれよれのゴルフウエアを着ていて全然お構いなしの人もいた。自分の納得のいかないショットが出たときに、ジーっと耐えて我慢するプロ、クラブを芝に叩きつけるプロもいた。母性本能をくすぐられるようなかわいい感じのプロもいれば、貫禄あるプロもいた。
また、プロはマラソンなどと同じで、ペース配分をきちんとしているんだなあと思った。4日間18ホール回るのはかなりの精神力も必要とされるだろう。1日の試合の中で、全力を出しているところと、70%ぐらいの力でプレーしているところがあるように見えた。
プロとアマの大きな違い、それは、パットやグリーン周りのアプローチにに十分時間をかけて分析していること。プロはグリーンを何度も何度もいろいろな方向から分析している。カップの周辺もじっくり見ている。アドレスに入っても納得いかなければ仕切りなおす。ラグナの上空はよく飛行機が飛ぶが、飛行機の音が聞こえたら即仕切り直す。パットがいかに繊細なものかよくわかった。
トラブルショットにも時間をかける。バンカーの斜面のラフにボールが残ったりすると、何度も何度も素振りをして十分に感覚を掴んでから打つ。この念の入れようはすごいなと思った。バンカーに入ってもバンカーに入る前にフェアウイで軽く素振りをして感覚を掴んでバンカーに入っていた。リカバリーショットをとても大切にしているのがよくわかった。
プロのドライバーショットをすぐ真後ろから是非見てみたいと思い、先に行ってベストポジション陣取って見てみた。すごいの一言。感激した。遠くから見たら軽く打っているように見えるが、真後ろから見るとドライバーショットのインパクトの瞬間、体に響くぐらい衝撃があった。そして狙う位置が全く違うなと思った。
そんな反面、試合中、ほんの1mぐらいのパットを何度もはずしてしまうプロもいた。見ていて痛々しかった。でも無言でずーと我慢している姿をみて可哀想になってしまったが、プロでもこういうことがあるんだなあと思った。あのNick
Faldoでさえ、池ポチャもあったし、バンカーを1回で出せなかったこともあった。なんだか親近感を持ってしまったが、やっぱり違うなというのはその後。池ポチャでもボギー、バンカーを2回叩いてもパーでまとめるのである。
池ポチャといえば、池越えのショートでびっくりしたことがあった。そのホールは今まで見たことないような池ぎりぎりのところにピンが立っていた。やはり池に落とす人も多いようで、池の手前にみんなが打ち直している場所があった。移動のときにそこを見てびっくり。ターフの取れたショットの跡がどれもきれいな角のある長方形だったのである。同じ大きさのターフのとれた跡がきれいに並んでいて、長方形の碁盤の目のようで、思わず美しい!と思ってしまった。
この池越えのホールだけでなく、最終日は差をつけるためか、ピンはどれも難しい位置に立っていた。というか、普段見たことない難しい位置に立っていたのである。なのにみんなピンをデッドに狙っていく。さすが、勝負のゴルフ、プロのゴルフは違うなと思った。
最後にキャディー。普段テレビ中継などではプロしかあまり注目されないが、キャディーも重要な要因であるなと思った。約4時間のゲームの中、プロが頼れるのはキャディーだけ。プロはキャディーしか味方がいないことを痛切に感じた。
Nick Faldoは奥さんがバッグを担いでいた。なかなかの貫禄。だんなさんの晴れの舞台を完璧な条件でできるようにサポートして、見守っていた。余分なことは一切言わない。あうんの呼吸でサポートしていた。でも、観客のカメラの音がうるさければ、「No
Camera Please!」と大声で叫んでダンナを守る。見ていてこういう奥さんはいいなあと女性の私は思ってしまった。
シンガポールは気軽にトーナメントを観戦できる。場所もどんなに遠くても車で30分圏内だし、ちなみに入場料は当日券で25ドル(1800円程)という気軽さである。実は行く前友人と「トーナメントの観戦ってどんな服でいくのかな?」という話になって、「とりあえず襟付きのシャツと長ズボンだったら失礼にあたらないであろう」と言う結論に達し行ったのだが、みんなかなりラフな格好で来ていた。
Tシャツや女性はタンクトップやショートパンツなどもたくさんいた。サンダル履きの人もいた。でも個人的にはプロがすぐ前を通るわけだし、やはりせめて襟付きのシャツぐらいは着たほうがいいなと思った。
友人とも「こんなに楽しい一日はないね。」と観戦中ずっと言い続けていた。本当に楽しかった。やはりゴルフが好きなんだなあと思った。また機会があったら是非トーナメント観戦に行きたいと思う。
(2002年3月11日)
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