| 第17話 続・良いコースの条件 |
前回に続き、コースについてさらにいろいろな考察を聞くことができたので、紹介したいと思う。
前回の話から1週間後、関東ゴルフ連盟の競技委員のゴルファーとご一緒させていただいた。この方とも同じタナメラガーデンでプレーしたので、お食事のときに前回聞いたコースに対する考察をお話してみた。
この方もこの話に同感されていたが、実はさらに3つの話をされた。まずは、「このコースはウォーターハザードとラテラルウォーターハザードがレイアウトに沿って正しく設定されていたね」とおっしゃった。「みんな気付いていないかもしれないけど、意外に正しく設定されていないところが多いんだよ」という話であった。普段プレー中に赤杭と黄杭の処置の方法を間違わないようにとだけしか考えていない私にはびっくりする話だったのである。
続いて、レイアウトについてこんな話をされた。「コースというのはちょっと女性の人を前に言うのも失礼かもしれませんが、女性の体のように出るところは出て、くびれるところはくびれるそんなコースがいいんだよね。メリハリのきいた、見て美しいと思えるコースがいいんだよ。寸胴ではだめなんだよ。そして、ここに目があってここに腰があってここに足があるときちんとわかるような、そんなコースでないとだめだね。」ということであった。つまり、設計者というのはそれぞれのティーからこのティーの人はこの当たりに1打目は打つからちょっとここをくびれさせようとか、ティーショットを意図的に難しくするためにちょっと木をここに植えてみようとか、2打目はこの辺を狙うだろうからここになにか作ろうとか考えているわけで、メリハリの効いていないどこに打ってもいいなんていうコースはつまらないということであった。女性の私にとってはちょっと耳の痛い話(笑)であったが、なるほどと納得してしまった。
最後に帰りの車でふとこんな話をされた。「最初にここでプレーしたときもそうだったけど、今日も更衣室の人達は掃除を丁寧にされていて、更衣室が非常に気持ちがよかった。そして、メンバーの人のことは覚えていて、きちんとみんな名前で呼んでいたね。素晴らしいね。」ということであった。影の引き立て役者の更衣室のスタッフにも目を配る姿勢にすごいなと思った。
実はこのゴルファーは現在70才。話は逸れるが、ラウンド中に、「作者さん、僕が70才になって思うことは、こうやって若い方々と一緒に楽しめる『ゴルフ』は、なんて素晴らしいスポーツだろうと本当に思うんだよ。若い頃は頭ではわかっていたけど、年をとってから本当にゴルフをやっててよかったと思うよ。」としみじみとおっしゃっていたのがとても印象的であった。
実は別の機会であったが、もう一つコースに関してほかの方から良い話を聞いた。1ヶ月ほど前、60才の某日本のコースのクラチャン経験者とプレーをしたときに、その方はコースの考察に関してこうおっしゃった。「良いコースには『潤い』があるんだよ。お花や木がいっぱい植わっていて潤いを感じられるコースは素晴らしいコースだね。たとえばスコアが悪くても、いいショットが打てなくても、お花を見たらほっと和めるそんなコースは素晴らしいよ。」「潤い」とても良い言葉だなあと思った。
この1ヶ月ほどで、技術とは全く違うゴルフのお話を聞き、ゴルフの新たな一面を見た気がする。このようなお話は何十年とそして何千回とゴルフをされていらっしゃる方々の経験からくるとても重みのある言葉だなあと思った。そして、スコアや技術だけでなく、ゴルフをいろいろな角度から見ることができて、もっともっとゴルフが楽しくなった機会であった。
そして、今回初めてお会いした皆さんから「日本に帰省される際には是非連絡ください。今度は我がコースでまた是非一緒にプレーしましょう。」という嬉しい言葉も頂いて、シンガポールでのゴルフを通して、日本でのゴルフの輪が広がる楽しさも感じた1ヶ月であった。
(2002年2月25日) |
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