| 第12話 プロとのラウンド |
2ヶ月程前になるが、ひょんなことからシンガポールでは3本の指に入るであろう Dino Kwek
プロと一緒にプレーする機会があった。本当に貴重な経験で、いろいろと勉強になったので、今回はこの体験談を紹介していきたいと思う。
実は、ある週末のゴルフ、ゴルフ仲間の一人が急な出張でキャンセルとなり、もう一人どうしようかと言っていたところ、その日参加する別のゴルフ仲間が自分のコーチであるDinoに声をかけてみたところ、応諾してくれたのである。
一言で言うと、すごかった。ショットの精密度が違う。そして、びっくりしたのはドライバーの飛距離。今までご一緒させていただいた中で、一番飛距離が出ていたと思う。ちなみに体格は、シンガポール人男性の平均ぐらいである。そして、1回だけドライバーショットが大きく逸れて、隣のコースに行ってしまったが、「悪かったところがきちんとわかってるから同じことは繰り返さないよ」と、にこやかに言った冷静な態度に、プロの余裕を感じた。
そして、一番感動したのはアイアンの正確さ。ドライバーは飛ばすクラブ、アイアンや寄せるクラブというのをそのまま描写したプレーであった。アイアンはほぼピンに絡めてくる。同じパーでもバーディー逃がしのパー。もちろんミスショットもするが、その後のリカバリー力がすごかった。
こんなプレーの中、私もとにかく自分なりに丁寧なゴルフを心がけようと多少緊張しながらやっていたのだが、そんな中、Dinoプロは私やゴルフ仲間に対しての気遣いも忘れていなかった。例えばプロは同伴のゴルフ仲間に、「質問があったら何でも聞いてくれていいからって彼女に伝えてね」とさりげなく言葉をかけてくれていたのである。と言っても、そんなに図々しく聞けないなあと思い、パットのラインを時々教えて頂くぐらいだったのだが、見かねたのか、後半からは、ラウンドレッスンに様変わり。プロは自分のゴルフはさておき、私達にいろいろ教え始めてくれたのである。そして、私の拙い質問にも明確に答えてくれた。そんな中おもしろかった話をいくつか紹介したいと思う。
まず、「ゴルフがうまくなるための要素は何ですか?」と聞いたら、「Brain」と「Work
Out」とのことであった。つまり、例えば、後半まできているのに、まだ「このコースやっぱりグリーン早いわ」なんてまだ言っているのはだめだねと、耳の痛くなるような話もしていた。また、プレーでも練習でも、なんでこうなったか、どう攻めるか、なにをやったらいけないかなど、常に考える重要性を主張していた。「どうやったこんなスイングになるのかなど、常に考えながら練習をたくさんしないとだめだよ」と言っていた。
「練習場ではきちんと打てるのに、コースでいいショットがでないという人がいるんですが?」と問いかけたら、「2つ考えられて、一つは実は練習場でもきちんと打ててない、もう一つは練習場の雰囲気で打っていて、ショットに集中して練習していないから、場所が変わると打てなくなる」ということであった。
ゴルフの何が一番好きですか?と聞いたら「勝負すること」とのこと。競技で他のプロと勝負することが楽しいとのことであった。ただ、同時にコース設計者とも勝負しているとのことで、パーで回って来れなかったら、設計者に負けたと思うらしい。
「スランプのときにはどうするんですか?」と聞いたら、「うまくなればなるほど、調子のいいときと悪いときの差が少なくなっていくから、スランプをあんまり感じなくなる。例えば調子が悪くて叩いても、何が悪かったのかちゃんと自分で理解できればすぐに修正できれば次からはそんなに叩かないからね。」とのこと。
最後に、一番印象的だった言葉。「ゴルフはね。打つ前に、こうだ!と決めたら、それに全力を注ぐ。例えば、パットのラインとか、番手とか。そして、それでだめだったら、だめだったって割り切って、次の事を考えるんだよ!」
本当に貴重な機会であった。こんな風にプロと気軽に一緒にプレーできるチャンスが身近にあるのは、やはりシンガポールならではかもしれない。
(2001年10月8日) |
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