クロ ゴルフエッセイ 〜クロがゴルフに関するエッセイを綴ります〜
第9話 生中継
先日行われた第83回全米プロゴルフの最終日を生中継で見た。これだけゴルフが好きなのに、トーナメントをテレビ生中継で見たのは、ゴルフを初めてから5年経つが、実は今回が初めてであった。

シンガポールのケーブルテレビでは、アメリカのトーナメントを夜中から朝方優勝が決まるまで生中継で放映する。私のゴルフ仲間は結構みんな起きて見ている。ただ、夜しっかり寝ないと次の日にひびいてしまうことが確実な私は、見たいなと思ってもやっぱり録画でいいかなと、いつも次の日の夕食後の時間帯に流れる録画番組を見ていた。そして、土日のゴルフのときも、みんなで話しているトーナメントの途中経過を、ただ聞いているだけであった。

そんな私が今回に限って、最終日起きて見てみようと思い立ったのは、全米プロゴルフ開催中の土曜日にゴルフをしたとき、「ゴルフは生中継で見ないと楽しくないでしょ。録画は結果がわかっているから感動がないでしょ。私は生中継しか見ないよ。」というゴルフ仲間の話を聞いてふと思い立ったのと、片山晋呉プロが2日目首位で、3日目最終組でまわっているという話を聞いて、日本人が活躍しているんだったら今回は頑張って起きて見てみようかなと決心したのである。といっても睡眠が大切な私にとって、放送開始の2時半からはさすがにきつかったので、4時半に目覚ましをかけて起きた。

正直言って、最終日の生中継は期待以上に面白かった。特に最終ホール、1打差リードのトムズとミケルソンの優勝争いは圧巻であった。生中継の醍醐味を味わった気がした。18番ホール、パーオンしたミケルソンを横目に、ティーショットをラフに打ちこんでしまったトムズが2打目のクラブをどうしようかなと悩んでいる姿が映り、私もドキドキしてしまった。そして、その選択が安全策で池の手前に落とすという戦略であったときに、解説者も「very interesting decision」という表現をしていたが、わたしもハッとしてしまった。パーオンでバーディーを狙うミケルソン、安全策を取って3打目勝負でパーをセーブしようとするトムズ、固唾を飲んで見守っていた。バーディーパットを逃したミケルソンの表情、パーパットを決めて優勝したトムズの表情、生中継で見ててよかったと思った。感動と悔しさがひしひしと伝わってきた。

一方、片山晋呉のプレーも眠気を払拭させた。この晴れ舞台を楽しみながら堂々とプレーしている表情がとても印象的であった。わたしも海外で働いている日本人、日本人が海外の舞台で頑張っている姿に、そして、サービス精神旺盛なパフォーマンスでアメリカの観衆をすっかり魅了した姿に感動した。私も観衆に混じって応援していた気分であった。前日に2打目幸運にも水面で跳ねてグリーン手前のラフに転がった18番ホール。最終日はどうするのかなあというのがとても楽しみであった。わくわくしながら見ていたが、ラフからの2打目は、やはりグリーンに向かって挑戦していった。池にほんの少しの差で落ちてしまったが、悔いのない表情を見てほっとした。

生中継は結果を知らない分どうするのかなあ、どうなるのかなあと想像力を掻き立てる。そして、感動や選手の気持ち、そしてその時々の決断が直に伝わってくる感じがして、やっぱりいいなあと思った。 また生中継を見るかどうかは正直なところ、寝るのが大好きな私にとってなかなか勇気のいる決断だが、機会をみて、できれば日本人が活躍してる最終日の生中継を見て、また感動を味わいたいと思っている。

(2001年9月3日)



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